2025年4月26日
~やさしい日本語で、気持ちを伝えよう~
日本語を勉強し始めたばかりの外国の方に手紙を書くときは、少しだけ工夫が必要です。文法や単語にまだ慣れていない相手でも、あなたの気持ちが伝わるようにするために、心掛けたいポイントを5つご紹介します。
「日本語がまだよくわからない人でも読める」手紙は、きっと相手の励みになりますよ!
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① ひらがなを中心に書こう!
相手が漢字を習っていない段階の場合は、ひらがなが中心の文が読みやすいです。
漢字は、見慣れない人にとっては「絵のように見える」こともあるため、できるだけ使わず、ひらがなで書くようにしましょう。どうしても使う場合は、簡単な漢字(例:「日本」「友だち」「先生」など)に限定すると安心です。
📌 ポイント: 読みやすさ重視!かんたんでも、伝わればOK。
【例文】
✗ 最近、日本語の勉強は順調ですか?
〇 さいきん、にほんごの べんきょうは どうですか?
✗ 元気にしていますか?
〇 げんきですか?
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② 敬語や難しい言い回しを使わない
日本語にはたくさんの丁寧な表現(敬語)がありますが、学び始めたばかりの人にはまだ難しいことが多いです。できるだけやさしくて直接的な表現を使いましょう。
「〜しております」「〜いただけますと幸いです」などの表現は避け、日常会話のような語り口でOKです。
📌 ポイント: 伝えることが目的。ていねいすぎる=わかりにくい、になることも。
【例文】
✗ ご無沙汰しております。お変わりありませんか。
〇 ひさしぶりです。げんきですか?
✗ お体にお気をつけてお過ごしください。
〇 からだに きをつけてください。
✗ 感謝申し上げます。
〇 ありがとう!
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③ 一文を短くしよう
長い文は、それだけで理解が難しくなります。
一つの文の中に、話題や動作がいくつも出てくると、初心者は混乱してしまうことがあります。
1つの文で伝えるのは1つのこと、と意識して、文をこまかく分けてあげると親切です。
📌 ポイント: 「区切ること=やさしさ」。接続詞(だから、けれども、しかし)もなるべく少なく!
【例文】
✗ あなたが日本語をがんばって勉強していると聞いて、私もとてもうれしく思いました。
〇 あなたが にほんごを べんきょうしていると ききました。わたしも とてもうれしいです。
✗ 最近はだんだん暖かくなってきて、桜も少しずつ咲き始めました。
〇 さいきん、あたたかくなってきました。さくらも すこしずつ さきはじめました。
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④ 日本の文化的な表現は避けるか、やさしく説明する
相手がまだ日本の文化を知らない場合、「花見」「お盆」「こたつ」などの言葉はピンとこないこともあります。使いたい場合は、かんたんな説明をつけるか、もっとイメージしやすい表現に置き換えましょう。
📌 ポイント: 「知ってるはず」と思わないこと。異文化への配慮も大切。
【例文】
✗ 春にはお花見をして、日本酒を飲みながら友人と楽しみます。
〇 はるに 「はなみ」を します。さくらを みながら たべものを たべたり します。たのしいですよ。
✗ 夏はお盆で帰省しました。
〇 なつに いなかへ かえりました。かぞくに あいました。
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⑤やさしい言葉で、あたたかい気持ちを伝える
相手は、まだ日本語に自信がないかもしれません。そんな中で読む手紙は、やさしい言葉にふれて「がんばろう」と思えるようなものが理想です。
言葉は少なくても、**「応援する気持ち」「仲良くしたい気持ち」**が伝われば、それがいちばん嬉しいプレゼントになります。
📌 ポイント: むずかしい言葉よりも、気持ちのこもった一言が心にのこる。
【例文】
✗ またお会いできる日を楽しみにしております。
〇 また あえると うれしいです。
✗ 勉学に励んでください。
〇 べんきょう、がんばってね!
✗ 心より感謝申し上げます。
〇 ほんとうに ありがとう!
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🌸特別編:パートナー・夫婦への手紙は、愛情もいっしょに届けよう
相手がパートナーや夫婦など、特別な関係の人であれば、やさしい日本語に加えて、愛情や安心感も伝えられると、もっと心に響く手紙になります。
相手が日本語学習者であることを気づかいながらも、**「だいすき」「たいせつ」「いっしょにいたい」**などの言葉で、気持ちをストレートに伝えると喜ばれます。
❤️ ストレートに愛情を伝える
むずかしい表現ではなく、「だいすき」「ありがとう」「うれしい」などの言葉をつかって、やさしく、まっすぐに伝えることが大切です。
【例文】
・あなたと いると しあわせです。
・まいにち ありがとう。だいすきです。
・わたしは あなたのことを たいせつに おもっています。
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💌 会えない時間も、気持ちはそばにあることを伝える
遠くにいるとき、相手が不安にならないように、やさしい「つながっているよ」の言葉を入れると安心感があります。
【例文】
・あえないひも あなたのことを おもっています。
・これからも ずっと そばに いたいです。
・あなたが がんばっているのを しっています。わたしも がんばります。
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🕊️ 一緒に過ごす未来を想像して
あたたかい未来を思いえがく言葉は、心を強くしてくれる魔法のようなものです。
【例文】
・つぎに あえるとき、いっしょに ごはんを つくろうね。
・あなたと さんぽする ゆめを みました。たのしかったよ。
・ふたりで えがおに なれる ひを たのしみにしています。
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おわりに:
手紙は、言葉のプレゼントです。たとえ言葉のレベルが違っても、「伝えたい」という気持ちがあれば、必ず相手に届きます。むずかしい表現を使うよりも、やさしく、あたたかく、わかりやすい言葉で伝えることが、相手の心に深く残ります。
日本語の手紙では、正しさよりも「思いやり」と「伝えたい気持ち」が一番大切です。 特に日本語を学び始めたばかりの相手にとっては、やさしく、あたたかく、そしてわかりやすい言葉が、心の支えになります。もし、それが大切なパートナーへの手紙なら、それこそが言葉の贈り物です。
どうか、あなたのやさしい気持ちを、相手にそっと届けてみてくださいね。
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