出入国在留管理庁に偽装結婚と勘違いされないためのポイント

外国人パートナーと婚姻手続きをすませたあとは、いよいよ配偶者ビザの申請となります。
ただ、ご存知の通り、ビザ目的の結婚を防ぐため、配偶者ビザの審査は大変厳しくなってきております。
仮に当事者にとって正規の結婚であったとしても、出入国在留管理庁から見て疑わしい点があれば、容赦なく不許可処分の判断が下ります。
入管の姿勢は「疑わしきは罰する」であることを知って於いてください。
特に、海外からパートナーを呼び寄せる場合には、不許可になってしまうと、日本で一緒に住めなくなります。気を付けなくてはいけません。

各ポイントを分かり易くお伝えするために。
◆ 出入国在留管理庁に偽装結婚を疑われる7つのパターン
◆ それぞれにおいて、正規の結婚であることを強調する対策法
◆ 念のため、万が一不許可になった場合

あなたの国際結婚が、7つのパターンのいずれかに当てはまるようであれば、プロの行政書士の力を検討したほうが良いと考えます。当てはまる項目がなくても、出入国在留管理庁のチェック目線が分かりますので、きっと役に立つと思います。
次に挙げるパターンに関しては、審査が非常に厳しくなります。プロの力を活用することをお勧めします。
【偽装結婚1】夫婦どちらかに離婚歴がある
【偽装結婚2】日本人配偶者の収入が低い
【偽装結婚3】夫婦間の年齢差が大きい
【偽装結婚4】国際結婚相談所・出会い系で結婚した
【偽装結婚5】風俗営業の場で知り合い、結婚した
【偽装結婚6】交際期間が短い or 会った回数が少ない
【偽装結婚7】交際過程を証明できる写真がない

【偽装結婚1】夫婦どちらかに離婚歴がある
日本人配偶者の側に、外国人との離婚歴がある場合には、注意してください。
とくに離婚歴が複数ある場合には、不許可リスクがかなり高まります。
ビザ目的の外国人から金銭を受け取り、実体のない結婚生活を送るという偽装結婚を繰り返してきたことが疑われるためです。
また、外国人側の日本人との離婚歴も、就労目的で日本にいるのではないか、と疑われます。
逮捕や強制退去の過去があると、不許可リスクがかなり高まるでしょう。

《 対 策 》
過去に離婚した経緯を、なるべく詳しく説明する。
出入国在留管理庁に「なぜ?」と思われる部分は、提出書類の中に詳細を記述しましょう。
■なぜ離婚をしたのか?
☞離婚に至った原因は何か?離婚に至った原因が、偽装結婚であったような記載をした場合、今回も同じと思われる危険性が有ります。気を付けましょう。
■なぜ今回の再婚相手に結婚を決めたのか?
☞相手を結婚相手と決めた理由。交際中はどのような場所に行ったか?両家の両親への挨拶は行ったか?
■なぜ再婚しようと思ったのか?
☞再婚相手は、前の結婚/離婚のことをどこまで知っているか?何故、再婚相手は自分を認めてくれたのか。
立証資料として、離婚に至った原因に関する資料を提出しましょう。
離婚相手の浮気現場の写真などの証拠。
借金が原因の場合は、借用書などの証拠。
また、今回の結婚が本当の交際・結婚であることを立証するために、資料を用意します。
■家族・親族・友人とご夫婦が一緒に写った写真
☞できる限り多く用意する。
■親密な内容のメールやLINEなどの通信記録
☞キャプチャして提出する。

【偽装結婚2】日本人配偶者の収入が低い
…ええと、日本人配偶者というのは、おそらくあなたのことになると思います。
大変申し上げづらいのですが、あなたの収入が著しく低い場合には、不許可の可能性が高くなります。具体的には、年収360万円以下は厳しくチェックされるでしょう。
日本での結婚生活が経済的に安定しない場合、早期に離婚に至るリスクが高い、そのため外国パートナーが犯罪に手を染める傾向があるためです。
そのほか、以下のようなケースも注意が必要です。
税金を滞納している。
過去に重大な犯罪を、犯している。
新居がワンルームのせまいアパートである。

《 対 策 》
たまたま収入額が少ない場合
就職して間もない時期や、休職中の場合には、一時的に収入額が減っている(もしくはゼロ)の状況も考えられます。
失業手当を受けていれば、当面の生活には困らないでしょうし、具体的にどのような求職活動を行っていて、いつ頃内定がもらえそうなのか、についても説明すると良いでしょう。
すでに内定が出ているのであれば、内定通知書を提出してもいいと思います。
このような状況であれば、一時的に収入が少ないものとして、出入国在留管理庁からの理解を得やすいでしょう。
資産状況について説明する。
収入が一時的に少なくても、価値の高い資産を保有していれば、問題ありません。次の就職等で収入が確保できるまで十分な貯えが有る点を立証する必要が有ります。
たとえば、預貯金の額や金融資産の保有状況、不動産の有無等を説明しましょう。
最後の手段
あなただけの力では、どうにもならない場合には、ご親族に援助をお願いしてください。
この場合には、援助の協力に関する契約書と、援助してくれる親族の収入証明を提出する必要があります。

【偽装結婚3】夫婦間の年齢差が大きい
夫婦間の年齢差が大きい場合は、不許可のリスクが高くなります。
15歳~20歳以上ひらいていると、偽装結婚を疑われる可能性が強くなるようです。
出入国在留管理庁は、かなり年齢差については警戒していると考えられています。
そもそも年齢差があると、どうやって出逢ったのか?という疑問を持たれてしまいます。
また、一般的には、物事の見方や感じ方、価値観という部分で乖離している場合が多く、そのような2人がなぜ結婚するのか?と思われてしまうからなのです。

《 対 策 》
二人の交際の経緯をなるべく詳しく説明する。
出入国在留管理庁に「なぜ?」と思われる部分は、提出書類の中に詳細を記述しましょう。
■なぜ交際しようと思ったのか。
☞交際中はどのような場所に行ったか。結婚を意識したのはどのタイミングか。
■なぜ結婚しようと思ったのか。
☞両家の両親への挨拶は行ったか。
その時の気持ちはどうだったか。
双方の両親は結婚に賛成なのか。
■年の差について、2人はどう思っているのか。
☞将来はどのように生活していく予定か。子供はどうするつもりか。
交際を立証する資料を提出する。
本当の交際であることを立証するために、資料を用意します。
■家族・親族・友人とご夫婦が一緒に写った写真。
☞できる限り多く用意する。
■親密な内容のメールやLINEなどの通信記録。 
☞キャプチャして提出する。

【偽装結婚4】国際結婚相談所・出会い系で結婚した
国際結婚相談所や出会い系サイトで知り合い、結婚した場合は不許可の可能性が高くなります。
特に、入国後にトラブルが多い国際結婚相談所や出会い系は注意が必要です。
最近では、マッチングアプリによる出逢いも増えているようです。
外国人と、どうしても結婚したい!というとき、利用する人も少なくないと思います。
しかし、出入国在留管理庁からは、非常に警戒されているパターンになっているのです。
理由は、ビザ目的の結婚や金銭目的の結婚を目的とする外国人が、少なくない数で登録しているためです。
もちろん、国際結婚相談所や出会い系サイト等にも、真面目な外国人は数多くいます。
しかし、真剣な結婚であっても出逢った場所だけで疑われてしまう可能性があるということです。
気を付けておきましょう。

《 対 策 》
<国際結婚相談所で知り合った場合>
国際結婚相談所といっても、良い紹介所もあれば、信用に足らない紹介所もあります。
そのような、玉石混合である状況を踏まえ、ご自身が利用した国際結婚相談所について、なるべく詳細な説明をしましょう。
信用できる業者である客観的な説明と、あなたがなぜその業者を信用したのかついても、記載するとよいでしょう。
■利用した国際結婚相談所の概要と規模
■利用した国際結婚相談所の運営者情報
■登録者の傾向
■登録する際に、しっかりした契約書や説明が有ったのか
■登録する際にどんな審査があったか
お相手の入会審査内容や確認の説明が有ったか。
以前にトラブルのあったお相手を紹介していないか。
お相手が、過去に日本人との国際結婚を行った経緯が有る場合はその離婚理由や婚姻期間の説明が有ったか。(過去のトラブル者は、同じトラブルを起こすと思われがちです)
■なぜこの業者を信用しようと思ったのか。
■紹介から婚姻・入国までの経緯。
☞どのような制度だったのか?
結婚するまでに何回くらい会ったのか。
航空チケットや写真も提出する。
さらに、パートナーとの交際の記録、結婚に至る経緯や感情の変化を説明します。
両国での結婚が成立しているか。
■家族・親族・友人とご夫婦が一緒に写った写真。
☞できる限り多く用意する。
■親密な内容のメールやLINEなどの通信記録。
☞キャプチャして提出する。

<出会い系サイト・マッチングアプリで知り合った場合>
出会い系サイト・マッチングアプリについても、質はてんでバラバラです。
あなたが利用した出会い系サイト等についての客観的な説明と、あなたがその出会い系サイト等を信用できると思った主観的な説明をしましょう。
■利用した出会い系サイト等の概要と規模
■利用した出会い系サイト等の運営者情報 (分かれば)
■セキュリティ対策がどうなっているのか?
■登録者の傾向
■登録する際に、しっかりした契約書や説明が有ったのか
■登録する際にどんな審査があったか?書類の提出は?
■なぜこのサイト等を信用しようと思ったのか?
さらに、パートナーとの交際の記録、結婚に至る経緯や感情の変遷を説明します
■家族・親族・友人とご夫婦が一緒に写った写真
☞できる限り多く用意する
■親密な内容のメールやLINEなどの通信記録
☞キャプチャして提出する

【偽装結婚5】風俗営業の場で知り合い、結婚した
風俗営業の場で知り合い、結婚した場合には、出入国在留管理庁の心証がとにかく悪い。
このケースで結婚して、かつ、配偶者ビザを申請するのは、以下のシチュエーションだけです。
①相手は日本人と結婚していたが、あなたと禁断の恋をした。
②相手が留学生として違法就労していた場で、あなたと知り合った。
③オーバーステイで風俗営業に従事していて、あなたと知り合った。
④定住者として来日していて、あなたと知り合った。
…④以外は、胸を張って誇れる出逢い方ではありません。
外国人パートナーの人間性に目が行き、偽装結婚ではないのかと疑われてしまうのです。

《 対 策 》
税金の納付をしているかどうかチェックする。
風俗営業の外国人は、税金をきちんと納めていないことが、多々あります。
そのような場合には、速やかに事実を申告させて、税金を納付してください。
二人の交際の経緯をなるべく詳しく説明する。
このケースは、初めから偽装結婚が疑われています。
とにかく詳細に、そして感情を交えて、リアリティを感じて貰える様に書類を作っていきましょう。
■ 日本に来た経緯は?
☞来日した年月日や、当初の在留資格も記載します。
■ 在留資格の変更は?
■ 風俗店・風俗営業に従事した経緯は?
■ 結婚後もこの職業は変えないのか?
☞あなたの考えも述べましょう
■ 結婚後の経済状況を含む将来設計について。
☞さらに、パートナーとの交際の記録、結婚に至る経緯や感情の変遷を説明します。
■家族・親族・友人とご夫婦が一緒に写った写真。
☞できる限り多く用意する。
■親密な内容のメールやLINEなどの通信記録。
☞キャプチャして提出する。

【偽装結婚6】交際期間が短い or 会った回数が少ない
交際期間が3ヵ月で結婚した!と聞いたら、あなたはどう思いますか?
相手と1~2回しか会わないで結婚した!と聞いたら、どうでしょうか?
…そういうことです
普通に考えたら、すぐに別れるな~、と思いますよね?
どうしてかというと、真剣に結婚を考えていない印象を受けるからです
お互いのことを十分に知らないのに、勢いだけで結婚したように感じるからです
これが国際結婚ともなると、ビザや金銭が目的なだけの偽装結婚だ!と疑われてしまうわけです
不許可になるリスクが高いパターンです
出逢ってからの交際期間が3ヵ月以内で婚姻(入籍)したケース
1~2回しか会っていないのに、婚姻(入籍)したケース
お互いのコミュニケーションは大丈夫?
日本に入国後の生活を考えた場合に、お互いにどの程度の語学力を有するかが問われます
パートナーが、日本語をある程度理解でき、自分の意志を伝えられる
貴方が、パートナーの母国語をある程度理解でき、自分の意志を伝えられる
このどちらかが有ればよいのですが、両方ない場合は問題です
パートナーを好きになって、パートナーの言語を学ぶ時間が有れば、日常会話程度のお話が出来ない場合不許可になる確率が上がります
日頃のコミュニケーションで、パートナーとの語学向上がとても大切と言えます

《 対 策 》
余計なお世話かもしれませんが…
すでに婚姻手続きをすませてしまったのなら仕方ありませんけど…
…未済なようでしたら、もう少し時間をおいてみてはいかがでショウカ?
あなたは真剣な恋愛かもしれませんが、外国人の方は違う可能性だってあります
ビザ目的の結婚や、金銭目当ての結婚の可能性も考えられます
もし、違ったとしても、性格や価値観の不一致による離婚のリスクは、かなりあるように思います日本人同士でもそうなのに、国際結婚となればなおさらです

婚姻手続きが完了してしまっている場合
出入国在留管理庁からは、最初から偽装結婚を強く疑われているパターンになります
まずは、出入国在留管理庁が「なぜ?」と思う部分について、徹底的に仔細を記載します
また、あなたとパートナーのそれぞれの気持ちの変化についても、詳細を記載しましょう!
■なぜ交際しようと思ったのか?
☞交際中はどのような場所に行ったか?
結婚を意識したのはどのタイミングか?
■なぜ結婚しようと思ったのか?
☞両家の両親への挨拶は行ったか?
その時の気持ちはどうだったか?
両家の両親・家族は結婚に賛成なのか?
■なぜパートナーは短期間の交際で結婚を決意したのか?
さらに、パートナーとの交際の記録、結婚に至る経緯や感情の変化を説明します
■家族・親族・友人とご夫婦が一緒に写った写真 
☞できる限り多く用意する
■親密な内容のメールやLINEなどの通信記録 
☞キャプチャして提出する
ご両親に嘆願書を書いてもらい、提出することもオススメですヨ!
■語学研修を積極的に 
☞出会いで語学力が無い場合は、パートナーの入国(在留申請前までには)日常的な会話が可能な状況を作ることが必要です
出入国在留管理庁が、パートナーを入国させて問題ないと判断いただく必要が有ります
語学力が弱い夫婦も、早期離婚の傾向が強いようです
夫婦の会話が少ない分、他人(会話の通じる人)を頼り、良くない道に誘われる場合がとても多いからです

【偽装結婚7】交際過程を証明できる写真がない
ここまで6つの疑われるパターンを見てきました
疑われないための対策もまとめてきましたが、どのパターンにも共通する内容がありましたよね?
気づきましたか?
そうです、立証する写真の存在です
それだけ出入国在留管理庁は、交際に関する証拠資料として、写真による立証能力を重視しているのです
とくに近年は、スマホやデジカメの普及によって、気軽に写真を撮ることができますよね?
にもかかわらず、写真が一切ないというのは、とても不自然だ!
偽装結婚じゃないの?と思われてしまうのです

《 対 策 》
今からでも間に合います!
これからの写真でもいいですから、とにかく撮りましょう!
1回でも多く会いに行って、二人の写真を撮ることがポイントです
背景に、観光地のわかる看板やお店が映っているとより効果的です
申請した後でも、追加で写真を出入国在留管理庁に送ることができます
これによって現在の状況を出入国在留管理庁に伝えることが可能です
過去の交際を立証するためには、メールやLINE等の更新記録を使いましょう
これがなければ、国際電話の通話履歴、やり取りした手紙なども使うことができます

もしも、配偶者ビザが不許可になったら…
ここでは、万が一配偶者ビザが不許可になったら?という内容をお伝えしておきます
知識として知っておく必要はありますよネ
不許可の先にある光景
まず、配偶者ビザが不許可になったら、今後の生活をどうするのか?を考える必要があります
お互いが日本に住んでいるのなら問題はないのですが、問題になるのは「夫婦が別々の国に住んでいる」パターンです
この場合には、次の2つの行動からいずれかを選ぶことを余儀なくされます
パートナーの国に生活基盤を移して、一緒に生活するのか?
再申請して許可されるまで、別々の国で過ごすのか?
いずれにせよ、非常に重大な決心を伴う決定をしなくてはなりません。
場合によっては、配偶者ビザの不許可をきっかけに夫婦関係がギクシャクし始めます

再申請して許可されるのか?
これは、あなたが思っているよりも大変なことです
不許可の決定は、担当した審査官の性格や気質に左右されて決定されたものではありません
明確なマニュアルがあり、統一された見識に基づいて不許可になっています
再申請して許可される、ということは、「出入国在留管理庁長の名義で不許可となった判断を覆す」行為に他なりません
2回目の以降の申請は、審査が厳しくなるといわれますが、これは当然のことと言えます

想像しているよりも、重くて大変なことです
とても大切なてんは、2点有ります
絶対に不許可にならないよう、事前の準備を万端にして申請する
それでも不許可になった場合には、行政書士の利用を検討する
1回目の申請で許可されることが一番重要です!
申請で、追加資料の請求を受ける場合も有りますが、非常に重要な要素です
最初に提出した資料で不十分であったために請求を受けているという点です
1回目の申請書類が不備であったということです
追試を受けている受験生と理解してください
もし、追加資料の提出を求められた場合には、指定期日より前にしっかりした資料(出入国在留管理庁が欲する資料)の提出を心がけてください


いかがでしたか?
出入国在留管理庁は、偽装結婚を疑う観点から、怪しい申請はすべて不許可にします
大切なことは、あなたとパートナーの国際結婚が潔白であることをどうやって伝えるのかということです
疑われやすいパターンに対して、事前に対応することが重要でしょう
最後に、疑われやすいポイントをもう一度まとめておきますね
夫婦のどちらかに離婚歴(特に日本人側の外国人との離婚歴)
日本人の年収が300~360万円以下
夫婦の年齢差が15~20歳以上
出逢いの場が、国際結婚相談所 or 出会い系サイト
出逢いの場が、風俗営業のお店
交際期間が3ヵ月以内または出会って結婚までに会った回数が1~2回
写真と通信記録は、真っ当な国際結婚であることを証明する有効な資料になります
しっかりと準備するように、気をつけましょう!

最終的には、あなたが如何にパートナーを愛していて、パートナーもあなたを愛していて、二人の気持ちが一つになって、一日も早く一緒に暮らしたいと思っているかが問われるということです